Sustainia 創始者 Erik Rasmussen

1.5°Cビジネスリーダーは、ビジネスとは何であるのかを再考し、新たな認識を普及していく必要があります。 重要なのはすぐにこれを実行することです。次の1,000日が変革を実現するリーダーになるには何が必要なのかを決定することになるでしょう。

2030年にこの10年を振り返った際、この時期はビジネスを根本から一新させた気候変動の破壊力により最大、
最強そして最もチャレンジングなビジネスリーダーシップの創造的破壊の時として思い出されることになる
でしょう。そうでないならば、わたしたちの気候変動
対策ミッションは失敗し、 1.5°C リーダーシップとは
何なのかが明確に理解されなかったたということに
なります。気候変動の解決には、第一にサステナブルなビジネスとなり得るには何が必要なのかを再考する、という根本的な意識改革が必要なのです。

これまで私たちは、持続可能な開発目標(SDGs)及び気候変動による課題及びその解決策を数々の会議やセミナーにて話し合うことで啓発する、という初歩的な段階に
取り組んできました。ビジネス界はこのもっとも簡単な段階において成功を収めています。国連グローバル・
コンパクト(UNGC)が2019年に実施した調査は、世界のCEOの85% が自社のサステナビリティにおけるリーダー的地位の確保に個人的に努めている、と回答したことを明らかにしました。

しかしながら、私たちが今進むべき次のステップは、
認識と取り組みをビジネスの実体へと変化させる、
というチャレンジングなものとなります。UNGCの調査によるとこのステップは前述の意識啓発の推進とは異なる状況にある様です。十分意欲的で科学的根拠に基づき、社会のニーズにあった企業目標を既に設定もしくは設定予定である、と回答したCEOは実に全体の32%に過ぎなかったのです。

さらに同調査は、71%のCEOが持続可能な開発目標実現におけるビジネスの重大な役割を認識している、と答えた一方、実際に企業がその役割を果たしていると信じている者は21%に過ぎないことも明かしました。

1,000日以内の変革

これらのデータや裏付けとなる数値は、なぜ正真正銘の信用に値する 1.5°C のビジネス・リーダーシップが
新たな考え方及びビジネスモデルを必要とするのかを
証明します。そして何よりスピードが重要です。未だに
憂慮すべき結論を下した報告書の方が多く存在します。尚これらの報告書は、わたしたちは 1.5°C の目標に遠く及ばない中で重要な転換期に近づいおり、気温は今後3°C 以上上昇する、としています。
だからこそ、今年が本当に “最後” の1.5°C 目標実現に
向けたビジネス・リーダーシップへの要請に答える年
なのです。

私たちが直面する課題のスピード及びスケールを考慮
すると、2030年の期限に間に合わせる、と確言することはできません。その代わり、3年というこれまでより
はるかに短い期間内に画期的な成果をもたらさなければならいのです。企業全般が1,000 日以内に主要な変革を
もたらすことが不可能な場合、目標達成にさらなる後れを取ることとなり、いかなる1.5°Cビジネス・リーダー
シップに関するナラティブも事実というよりフィクションとなってしまうでしょう。これこそが1.5°Cビジネス・リーダーシップがより意欲的な目標への取り組み以上のものを伴うべきである理由です。あらゆる企業は、持続可能な社会への発展において自社の役割及び責任を拡大するために取り組むことが求められているのです。

具体的な施策の一つに1.5°C運動に参加し目標達成に
取り組むことが挙げられます。もう一つは前述より
はるかに要求の高い課題となる、全ての事業決定に目標を統合し、全社員からの同意の下で企業全体で取り組みを浸透させることが挙げられます。これは、新たな企業アイデンティティ構築の問題です。 1.5°C運動は新たな国際秩序において企業の存在理由を再考する機会であり、 “ビジネスモデル変革の起爆剤” として捉えられるべきです。この観点の理解及び受容に失敗することは、
取り組みがCEOによるその場のからくりへと減じる
リスクをはらんでいます。1.5°Cビジネス・リーダーへの変革は、企業全体に影響をもたらす抜本的な戦略決定と判断されるべきです。

これまでに600社以上の企業が科学的根拠に基づく目標の設定に、その内約60社が1.5°C.目標実現に取り組ん
できました。これは出発点としてはいいニュースと
言えますが、実際に問題となるのは最初の成果報告書
です。どのような結果をもたらし、どのようにビジネス
モデルを変え、気候に影響を与えたのか。わたしたちにはこれらの教訓から非常に迅速に学ぶこと、そして企業経営者を1.5°C運動に参加するよう刺激することができる ‘1.5°Cビジネスヒーロー」たちが必要です。

だからこそ 「1.5°Cビジネス・リーダーシップ」 は、
その社会における役割と責任の拡大が求められる明日のCEOの必須条件として捉えられるべきなのです。1.5°C
実現に向けてアクションを起こすことは、民間企業を
持続可能な新たな国際秩序の起業家とする新たな
ビジネス・パラダイムを認識・受容することを意味
します。17の持続可能な開発目標は、企業から受け入れられるビジネスの新たな役割を定義しました。
しかしながら、UNGCによる調査で公表されている
ように、ビジネスは今こそ取り組みを新たなビジネス
モデル、戦略そして解決策に繋げていかなければ
なりません。

全ては意識及び混乱したビジネス環境にどのように
アプローチするかによります。リスクと機会の違いとは、どれだけそれに早く気がつくか、そしてリスク
マネジメントと機会の違いは受動的であるか積極的
であるかの問題である、ということをあなたは理解
しなければなりません。気温上昇を 1.5°C 未満に抑えるにはどのようなリーダーシップが必要であるかについて疑念の余地はありません。

自社の歩む将来を選ぶのはあなたしかいない

2019年気候変動は、投資家が最も考慮すべき要素として環境、社会、及びガバナンス (ESG)を打ち出しました。そして、企業のサステナビリティ ・パフォーマンスに
対する消費者の認識が与える購買行動への影響は
ますます大きくなっています。利害関係者からの高まるプレッシャーに伴い加速する企業リーダーシップは、1.5°C リーダーへと変革しないCEOは簡単に排除される
ことを意味します。

1.5°Cビジネスリーダーらは、歴史における自分たちの
ポジションに思いが及ぶかもしれません。2100年には、わたしたちは1.5°Cシナリオに止まることができたのか
否かを知ることになります。わたしたちは、科学的な
モデルが展開され、人類によりもたらされた気候変動の結果を目にしていくことになるでしょう。2019年現在の1.5°Cビジネスリーダーらは、挑戦したが失敗した
マイノリティとして、あるいは目標を掲げ大衆を導いた先駆者として記憶にとどめられることになるでしょう。1.5°Cビジネスリーダーらはどちらの歴史を望むのか、
今ここで選ぶ立場に立たされているのです。

世界の平均気温が上昇し続け、気候変動の影響を現実に目にすることが増えてきた今、リーダーシップが求められています。一部の人はこのタイプのリーダーシップを
生まれ持っていますが、多くは単なるCEOから1.5°C
ビジネスリーダーへと変革を遂げ、民間部門における
気候行動の先駆者となる必要があります。正しい考え方を持つ者だけがこの変革を現実のものとし、2100年には唯一良い名を残すことができているでしょう。

詳細は1.5°C Business Leadership reportをご覧ください。

Peder Holk Nielsen

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